こんにちは。タンカ絵師の多良佳です。
タンカとはチベット仏教の仏画のことです。
私はこのタンカとポーバという仏画を描いています。
ポーバはネパール密教の世界観を描いた仏画です。
タンカとポーバ何が違うの?と問われたら
「仏教の種類がちょっと違うので哲学と登場人物が少し違う形です」
と答えています。
ポーバはアルファベッドで書くとpaubhaと書きます。
私のインスタグラムのアカウント @paubha_art はこの
paubhaが由来です。
私はタンカもポーバもどちらもネパールで学んだのでどちらも描くことができますが、制作の中心はポーバです。
ポーバは本当に最初のころの仏画のスタイルですがチベットへ渡ったり
チベットで発達したタンカに影響を受けたりしながら
15世紀ごろまで続きましたが、タンカ芸術のほうが花ひらいていったので15世紀ごろから下火になりました。
今までもネパールのネワール族によって細々続いてます。
ネパールのギャラリーではポーバスタイル、ネワール族が描いていることが多いのでネワールスタイルと呼ばれています。
ポーバの魅力は文様です。細かい文様がびっしりと背景、衣装、アクセサリーに入っています。
最初は「隙間なし」という感想を持ちました。配色は天然岩絵の具をベタで使いますが自然の色なので目に馴染みの良く、どこにあってもうるさくなりません。
タンカの私が学んだカルマガディ派(チベットタンカの中にも流派が多く存在します)は日本画のような透明感があり、最小限のもので構成されています。
ポーバの中にも古典画とモダン画の二種類があり私は古典を学びました。
現代画については、また別の機会に書きたいと思います。
古典の絵師はネパールと外国人絵師も含めて10人いるかいないかです。
古典とモダン画の線引きも難しいのですが、古典の絵師が少ない状況です。ネパールにいる時から「日本人の若い人が学びに来てくれないかな」とずっと思っていましたが中長期で来られる人はいませんでした。
オンラインのプライベートレッスンをしています。
詳細はこのサイトのオンラインクラスに書いてあるので読んでみてください。
私もまだまだこの分野は勉強中です。
今日はとりあえずここで失礼します。