タンカには伝統的な色のルールがいくつかあります。
代表的なのはグリーンターラ(緑多羅菩薩)は緑色の肌色で青い蓮を持っています。
現在は絵具にもたくさんの選択肢があり描きやすい時代になったと思います。
タンカ、ポーバを天然岩絵の具で描きたいという場合はオンライン教室でお伝えするのは正直に言うと難しいです。湿度や膠の種類、住んでいる地域の気候で扱いが異なります。
初めてのタンカの着彩で使うにはあまりにも高価です。私は水干絵具で描くこともありますがポーバの伝統画と同じ色はないので混色をしています。
オンラインの生徒さんにお勧めしている扱いやすい画材を紹介したいと思います。
お勧めの絵具
ターナーアクリルガッシュ ジャパネスクカラー12色セット
https://www.turner.co.jp/brand/agj/agj12c/ ターナーの紹介サイトへのリンク
岩絵の具を再現した色ではありませんが伝統的なポーバの色味に近いものがそろっています。どの色同士が隣り合ってもハレーションをまず起こさないので安心できますし、画面の色味の統一感が出ます。私は混色で使いますが単色で使っても充分ポーバに近い色です。広い部分を塗るのに翌日に持ち越しても単色ならチューブから出すだけです。
つや消しなので画面が光ることもありません。
この12色セットに念のために白色を一本と金色を買っておけばA4サイズの作品は十分描けます。
アクリルの特徴は乾燥すると耐水性になってしまうのでシェーディングが難しく感じるかもしれませんが、一枚仕上げるとコツがつかめるのでそこまで難しくないと思います。混色をしなくてもシンプルなポーバの古典なら描けるので生徒さんに一番お勧めしている絵具です。
水張りしたケント紙に描くのがお勧めです。
お勧めの墨
これは墨運堂さんの歌仙(かせん)一択です。
https://www.turner.co.jp/brand/agj/agj12c/
実際にお店でいくつか試しに描かせていただき、その中から選びました。
ポーバはクルクルと渦巻の細かい文様がずっと続く仏画です。歌仙(かせん)はひらがなを書くのに適した墨だそうです。
適度に粘りがあり筆がまとまって細かい曲線を描きやすいのでお勧めです。
もし歌仙(かせん)が手に入りづらい場合は墨汁の水分を少し飛ばして粘り気を出すか墨汁に膠か糊を少しだけ加えて粘り気を出すと筆がまとまりやすく細かい文様も描きやすいです。