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タンカ留学するなら

タンカ留学するなら

 

これはアフターコロナの話になってしまいますが、ネパールにタンカ留学する方法を書いてみようと思います。

私のタンカに参加する過程はちょっと変わっているので参考になるか分かりませんが

それも交えるつつ書いてみます。

 

私がタンカを始めたきっかけはネパール旅行からでした。

全くの個人旅行で一カ月ぐらいのつもりで観光ビザをとり、それが結局五年になる特殊な話です。

 

ネパールの首都カトマンズに到着して仏画のギャラリーが多いことに気づきます。

それがタンカと呼ばれていて、もともと美術学校に行っていた程度に絵が好きだったので買おうかなと思ったのですが

いいなと思うものは高額でした。「描けなくもなさそう」と思いギャラリー兼スクールのようなところに飛び込んで一枚描いてみて、もう少しこれをきちんとやってみたいなと学校を探し、アパートを探しで気が付けば5年少しネパールにいました。

タンカを始める人にはおそらく二通りいて、私のように旅先でうっかり初めてはまる人ともともと絵心があった人がチベット仏教を学んでいるうちにタンカにひかれてネパールを目指す人。

私の周囲は後者のほうが多いように思います。

 

どちらにせよ学校と住居が必要です。

 

学校探し

先生探し、と言ってもいいと思います。組織だった学校へ行くのか、ギャラリー兼スクールのようなところへ行くのか、師匠の自宅に住み込むのか、期間と予算とライフスタイルで違います。

 

1、一カ月~三カ月以内ならタメルにあるギャラリー兼スクールのようなところがお勧めです。

どうやって探すかというと、まず現地に行く、、、としか言えません。サイトが稼働していて

 

メールを出して返信が来て「〇月〇日から私はあなたを一カ月受け入れられます」と返事が来ても「私」は販売員であって先生ではない、先生は亡くなったよなんて涼しい顔で言われることは普通にあります。まず2、3日通って先生が信頼できる人で約束を守る人か価格が納得できるかで決めたらいいと思います。

 

2、1年以上なら、1で知り合った先生たちを頼りに住み込みやギャラリーではなく工房を持っている絵師のところに弟子入りするのも手段かなと思います。ただ普段外国人と交流のない絵師はネパール語しか話せないことがあるのでよく面談したうえで決めてください。住み込みの場合はプライバシーはないと思ったほうがいいです。

 

3、ツェリンアートスクール

ツェリンアートスクールはネパールにある6年制のタンカスクールです。私も二年間学びました。三年目にポーバに転向したので、ここからNCTへ転校しました。

初めて絵を描いてみるローカルの学生と一年生がスタートするので美大卒の人には物足りないかもしれません。葉っぱと蓮で三カ月ぐらいを費やすので基礎の基礎から学びたい人にお勧めです。授業料は一カ月5000円ぐらいです。外国人はネパール人の二倍額の授業料を払う義務があります。ネパールでは外国人料金を取ることが違法ではありません。入学時、血液検査があります。現在はコロナの関係で閉まっています。時々結核の生徒がでますが校内消毒、生徒への告知などはありませんでした。そういうリスクがある覚悟、予防接種など対策をしていくことをお勧めします。学校の寮に外国人は入ることはできません。学生ビザは出ません。他大学に在籍しながら学びます。ダブルスクールはハードです。

朝、タンカ学校、途中三時間大学の語学学校、戻ってきてタンカ学校。授業中の言語はネパール語チベット語です。英語は少し通じます。学校の事務はネパール語、チベット語、英語、中国語です。

 

宿泊

1、ゲストハウス。長期滞在、掃除なしでいいからと割引交渉ができることもあります。

2、民泊、エアビーアンドビーなどがネパールではよく中長期の宿泊に使われます。

エアビーの大家さんはアパートを所有していることあるのでここを手がかりに物件を紹介してもらうこともできます。

3、アパートをいきなり借りるのはハードルが高いのですが日本レストランだと日本語で物件紹介がときどき張られています。

日本語が話せたり、日本びいきの大家さんのアパートなことが多いのでお勧めです。

 

私はゲストハウス→留学生仲間から紹介してもらったシェアハウス→サービスアパートと変わりました。

サービスアパートメントに移ってもガスや電気が止まらないアパートに住むことで自炊とお弁当で食費を抑えられるようになりました。

 

騒音について

ネパール人のお金持ちが静かな場所に住みたかったら土地を買い占めること、というほどネパールは騒音の概念が日本とは違います。宗教がらみの祝日が多いので早朝から何かしら音がします。

ノイズキャンセラー付きのヘッドホンを持っていくことを強くお勧めします。

画材は現地でもどうにか揃えられますがいいヘッドホンはないので本当に必要です。長期滞在になればなるほど必要なものです。

 

アフターコロナまでに出来ること

ネパールにしばらく行くことは困難です。タンカ留学まで日本で出来ることは英語とデッサンです。英語ができるならチベット語の読み書きだけでも初めて見てください。英語でチベット語を解説してあるYouTubeがたくさんあります。チベット語の読み書きができるチベットタンカの神様の名前の理解が早くなります。

珍しくポーバを描きに行くという人はサンスクリットを始めてください。デーバナーガリー文字はヒィンディー語、ネパール語にも使われる文字です。

どれも出来るようになった人は美術解剖学へ。これはやればやるほど終わらなくなります。

 

私はコロナパンデミックでネパールから日本に戻ってきて改めてスケッチの勉強やクロッキーををやり直しました。予想より日本のコロナワクチンの接種開始が遅く健康な私の順番は「年末かしら、、、?」と思い始めオンライン英会話にも入りました。クロッキーと解剖はやり直してよかったですよ!人体の下描きの時間が三分の二ほどになりました。英語はいまいち伸びているのか分かりませんがこういう言い回しがあって知っていたはずなのに使えてないなと発見はあります。

 

終わりに

美大の卒業と同時にネパールへ行く予定だった人、半年ぐらいかと思ったら一年以上ネパールに戻れない私、私の授業を受け始めてから私以上にネワール仏教に興味をもって論文など読みだしてネパールへの思いを熱くしている生徒さん、偶然検索でここにやってきた人、それぞれ思いがありますが、今できることをそれぞれしましょう。