アルタマの迷信を信じる日本人

ネパールにはアルタマという料理があります。

アルは芋でタマはタケノコのことです。

ネパール版のマサラ味の肉じゃがと言えば伝わるでしょうか。

 

以前ネワール族のおうちにホームステイしていた時は夕食もお願いしていました。

奥さんのクマリさんのご飯は美味しくて健康的な食事でした。

 

ある日夕食にアルタマを出してくれました。

「アルタマは夜に食べると関節が痛くなるんだよ、タマ、、バンブーが関節を痛くするの。

子供たちが好きだから作るけど私は夜に食べない」

と言いました。

 

私は日本でタケノコを食べてきましたが関節が痛くなったことがありません。

ネパールの迷信かな?と思ってその夕食は美味しくいただきました。

 

その日の晩、私は寝返りもうてない関節痛に襲われました。

布団すら重く感じました。

関節痛の痛みで疲れて朝方に少し眠りました。

翌日学校へ行きましたが、絵が描ける状態ではなく作業場の片付け掃除だけで

後は学校の隅で力尽きた兵士のようにぐったり眠りました。

 

それ以来私は夜に絶対アルタマを食べなくなりました。

ネパールでベジターリを頼むと初夏にはアルタマがついてくることがあります。

そうすると一緒に食事に行ったネパール人に

「夜にタケノコは食べない。関節が痛くなる。」

というと

「そんなことを言うのは私のおばあちゃん世代だよ!?」

と驚かれます。友人は関節が痛くならないそうで私の手を付けなかったアルタマを完食しました。

(今夜、〇ちゃんの関節が痛くなってしまう、、、!)と心配で

翌朝メッセージまでしましたが

『ナマステ!私のジャパニーズグランマ!私の関節は大丈夫(笑)』

と返事が来ました。

 

私が何年もそれをネパール人に言い続けたらターリを注文する

時同席するネパール人が

ウェイターに必ず確認してくれるほど夜にタケノコを食べない人として周囲に認知されました。

その度に「おばあちゃんか?」と突っ込まれましたが

本当に関節が痛かったので否定もせず

「私はおばあちゃん。夜にタケノコはデンジャラス」

と言っています。

 

コロナパンデミックで日本に一時帰国と称してもう2年近くいますが

タケノコは夜に食べていません。

あれは何だったのかいまだに解りません。